ももまま

セブン・シスターズのももままのネタバレレビュー・内容・結末

セブン・シスターズ(2017年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

架空世界の中に現実を垣間見る恐怖。

この映画、侮れません。
悪法も法。
中国の一人っ子政策が衰退に向かったのは2年前。
この映画のリアリティを裏付ける政策である。
もし人口爆発を恐れて一人っ子政策が施行された近未来に、第二子以降を冷凍保存処置するという政府の施設が存在したら?

…実は冷凍保存処置等というのは綺麗事なのですが。

しかし、この映画…SFだというのに、重さが半端ない(;_;)
『ガタカ』の緊迫感を連想した。
たぶん我々は心のどこかでわかっているのだ。
この映画はSF映画だが、現実はこの映画と同等かそれ以上に不条理で残酷だということを。

我々は社会システムから『生かされて』いるだけで、その現実すら実は、いつどうなるかわからないものであること。

そう、この映画で登場する、理想の偽善政策に拍手喝采を送る、現実を直視せず快適な社会に生かされている聴衆が、実は今の日本人に近いのかもしれない。

そんな空恐ろしさを感じた、秀作です。
本当に怖い。
でも、観て良かったと思える作品です。
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