B5版

セブン・シスターズのB5版のネタバレレビュー・内容・結末

セブン・シスターズ(2017年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

ウィレム・デフォー目当て&世界設定が面白そうで鑑賞しましたが…

0から下地を作るSF世界で、監督の熱の入った描写部分は大変好ましい。
曜日ごとに入れ替わる姉妹の造形や、ケイマン博士と祖父について面影が似ている俳優をあてたりするなど、
物語の要所のエッセンスはかなり惹かれるものがあったですが…
意識外のところが雑すぎ。

まず、世界設定上可能なルールの線引きが実に曖昧。
初っ端から欧州の単なる一政治活動家がなぜ世界問題の重要人物?亡命制度は?情勢は?と訝り、極め付けはこの物語で重要な役目を持つコールドスリープですよ。
この制度の説得力の無さは悲惨と言えるレベル。
この怪しさで運用に首を縦に振る大人がおるか!
ディストピアにしてもさ、せめてこの世界で起きていることが技術的または倫理的に問題がないことを説明してくれたりしないと、枝葉の美しいディテールを楽しむ前のノイズで目が覚めてしまう…

また、この物語はカレン・セットマンを名乗る人間が複数いることが肝なはずですが、なんせ人数が7人もいるから一人一人に思い入れが出来る前に話が動くという、設定が足を引っ張る具合に。

あと一番の疑問はラストシーン…
結局根本的な人口問題が解決していないのに、産めよ増やせよとばかりに新生児が画面いっぱいに拡がるところは心でなく背筋が震える仕様。
このズラし方はわざとなんだろうか…

総評:ハマらなかった。勿体無い作品だなぁと思います。
B5版

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