てっぺい

ワンダーウーマン 1984のてっぺいのレビュー・感想・評価

ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)
3.5
【救う映画】
ワンダーウーマンが世界を救う!飛んで蹴散らす縄投げ爽快アクション、王道のヒーローもので、メッセージも伝わりやすい。大作が次々と延期になる映画界の年の瀬も救う一本。
◆概要
「ワンダーウーマン」('17)の続編で、DCエクステンデッド・ユニバースの第9作品目。
監督:パティ・ジェンキンス(前作から続投)
出演:「ナイル殺人事件」ガル・ギャドット、「スター・トレック」クリス・パイン
音楽:ハンス・ジマー
◆ストーリー
1984年、人々の欲望をかなえると声高にうたう実業家マックスの巨大な陰謀と、正体不明の敵チーターの出現により、最強といわれるワンダーウーマンが絶体絶命の危機に陥る。
◆見どころ
ワンダーウーマンの最強っぷり。前作ほどの無双ではないけど、飛んで蹴って弾散らしてのお縄アクションは爽快そのもの。テーマも一本しっかりあって見やすい。大作が次々と延期になるこのご時世には貴重な一本。
◆アクション
冒頭から、町の小悪を粉砕する王道のアクションでヒーロー映画の世界へ誘う。故郷でのオリンピアレースで“神”の領域を夢見させ、カーチェイスではガル様が車と車の間に挟まれヒヤヒヤ。チーターとの一戦は3次元で両者が飛び交う目の回るようなグルグルアクション。どのシーンも、その迫力とガル様の美しさで全く見飽きない。

◆以下ネタバレ

◆真実
“真実こそ美しい”とマックスを最後に説いたダイアナ。冒頭のオリンピアで母から“真実に向き合う”事の大切さを説かれ、頭と終わりをその“真実”で結ぶ本作。結果として、取り下げるんかい!と突っ込みたくなるマックスの心変わりも、スティーブに別れを告げるダイアナも、その“真実”で全体を結んでいるから、伝わりやすい。ヒーローものとして、一番大切な軸がブレてないと思う。
◆オマージュ
飛行機にすら縄を飛ばして空を跳ねて飛ぶダイアナはまるでスパイダーマン。私は無敵だ(I'm invincible)と叫ぶマックスはまるでサノス。空を跳ぶダイアナが見せたスーパーマンのポーズ。後述するSASUKEのような冒頭のオリンピアのシーン。個人的には、スティーブに別れを告げるダイアナはまるで“自分の責務を全うする”と言い放つ鬼滅の刃のよう笑。仕掛けられたものか、偶然なのかは置いといて、そんなインスピレーションを働かせながら本作を見るのも面白い。ちなみに後述の通り、監督は一部インディージョーンズをオマージュしたそう。あとポストクレジットで登場したのは初代ワンダーウーマンのリンダ・カーターだそう。
◆トリビア
○本作は、映画公開と同時にワーナーのストリーミングサービスHBO Maxで配信する、“ハイブリッド配信モデル”であり、そのサービスエリア外の日本ではアメリカより1週間前の映画公開となった(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ワンダーウーマン_1984)
○ 故郷の島を舞台にしたレースシーンは、TBS「SASUKE」の影響を受けていると監督が語っている(https://www.cinematoday.jp/news/N0120575)
○ ホワイトハウスに続くペンシルベニア大通りを史上初めて完全に閉鎖し、何百人ものエキストラを使って撮影したシーンがある(https://www.cinematoday.jp/news/N0120021)
○監督は、劇中のショッピングモールでのシーンは『コマンドー』を、カーチェイスシーンでは、『インディ・ジョーンズ』シリーズをオマージュしていると語った(https://eiga.com/news/20201125/9/)
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