オクやん

ワンダーウーマン 1984のオクやんのレビュー・感想・評価

ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)
3.5
ひとつだけ願いをかなえてくれる謎の石に振り回されながら、ヒロインの恋人とのロマンスやヒロインに憧れ、偽のワンダーウーマンになった女とのバトルを描いた作品。
オープニングで少女時代のヒロインが、大人たちに混じって競技に参加。徒競走に始まり水泳や乗馬やアーチェリーまで登場する総合レースなのだがここでヒロインはもう一息のところで優勝を逃す。真相は落馬のタイムロスを取り戻そうとして近道したことがルール違反となり失格してしまったのだ。この時、母親から”嘘から真実は生まれない”と諭される。このセリフはクライマックスでヒロインが再び口にしており、本作のテーマにもなっていた。
もう1つテーマを挙げるとしたら「強欲」であろうか。神の子であるダイアナは、本来は欲とは無縁の存在。しかし、死からよみがえった恋人を失いたくないと望んだ時から、彼女はその欲望を捨てられるかどうか、人間なみの葛藤を強いられる。そこもこのドラマの見どころである。
原作コミックのファンに人気の悪役チーターとワンダーウーマンの対決など、スピーディーなアクションも魅力。タイトルにある84年は、強いアメリカを提唱したレーガン政権の時代。商業五輪の原点となったロス五輪も開かれたが、そうした事象がもう少し物語に生かされていれば、時代設定がわかりやすかったかもしれない。
ちなみにエンドロールに出て来たワンダーウーマンはテレビ版の「ワンダーウーマン」で主役を演じたリンダ・カーターとのこと。
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