Aika

ホリデイ・インのAikaのレビュー・感想・評価

ホリデイ・イン(2017年製作の映画)
4.3
この日が来るのをどれほど待ちわびていたことか…!!!!

ブロードウェイのミュージカルを映画館で上映するのはアメリカではよくあることですが、日本ではこれが初。初。初でした!!!!

と言っても今年はウエストエンドの「ミス・サイゴン」そして先週舞台挨拶つきで「アリージェンス」(ジョージ・タケイさんに会えた♡)があったり、日本でも劇場で観れる機会が少しずつ増えてきています。

もちろんミュージカルは生の舞台が一番だし、来日公演も年々増えて来ているけど、チケットは高いし必ずしもベストな状態で観れるわけではないので、三千円前後で完璧なバージョンで観れるミュージカルもありだと私は思う。
今作は東劇で5日間のみの上映だったけど、初日と最終日はそれなりの入りだったみたいだしアンケートも配られて、松竹さんの熱意が感じられてよかった!
私もこれからの日本でのミュージカルの在り方のために真剣に要望を書いてきたので、小さな声でも徐々に反映されていくといいなぁと思います。

前置きが長くなりましたが。
今作は昨日レビューしたビング・クロスビーとフレッド・アステア主演の「スイング・ホテル」を舞台化したもので、トニー賞にもノミネートされました。

クロスビー役にはブライス・ピンカム。彼の声はクロスビーに近くて滑らかでよく伸びる。BWではお馴染みの彼、安定感が抜群。安心して見ていられました。

そしてアステア役にはコービン・ブルー。あのハイスクールミュージカルのチャドです。HSMは私の青春なので、成長した彼を見るのがとても楽しみでした♡
顔はびっくりするほど老けたけど、タップは本当に素晴らしかったです。
HSMでも飛び抜けてダンスはうまかった彼だけど、タップは別物だし相当大変だったはず。アステアというよりジーンケリーの重心の置き方に近かったけど、そのぶんパワフルで映画さながらの爆竹ダンスも見事でした。

1940年代の古き良きミュージカルを現代の人でも楽しめるように、脚本はかなり手直しされていて、昔のような無茶はない展開に。
新しく加わったお手伝いさんのおばちゃんがとっても良いキャラで、彼女が出るたび劇場では笑いが起こってました。

大縄をしながらのタップやラインダンスなど、アクロバティックで迫力満点なダンスシーンではかなり客席も盛り上がってました。私もいちいち拍手したくてうずうず。

そして映画での代表曲「White Christmas」はもちろん「Easter Parade」「Cheek to Cheek」「Blue skies」などアーヴィング・バーリンの名曲で埋め尽くされるミュージカルの多幸感たるや、たまらなかったです。
アステアの作品に使われた曲も多いので、彼の姿が舞台のコービンに重なるようでつい涙腺が緩みました。あなたのダンススピリットはまだまだこうして受け継がれてますよ…!!!

1942年のミュージカルがいまNYで蘇り日本でも観れるというのは、やはり最高でした。
アンケートの「劇場で観たい」けど「Blu-rayになったら買う」両方にぐりぐりと丸をしてきたので、どうか発売もお願いします…!!
そしてこんな企画がこれからもどんどん続きますように。日本にだって熱いミュージカルファンはたくさんいるんだから。
Aika

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