MasterYu

007/ノー・タイム・トゥ・ダイのMasterYuのレビュー・感想・評価

4.0
ダニエル・クレイグのジェームズ・ボンドも本当にこれが最後。
2006年に公開された「カジノ・ロワイヤル」を当時劇場で観た時、それまでの007作品とはまったく違う雰囲気に驚かされ、そして一発で好きになってしまったわけです。
前作の「スペクター」もある意味集大成的な作品でしたが、もう一本ダニエル版007が作られると聞いた時は、本当に嬉しかったなぁ。
このコロナ禍で公開延期が続き、かなり待たされることになってしまいましたが、公開初日にダニエル最後のボンドの勇姿を見届けてきました。
最後ということで尺も2時間44分と長め。しかし、そんな長さを感じることもなく、あっという間に終わってしまった印象。
ビリー・アイリッシュの「ノー・タイム・トゥ・ダイ」が入るまでの長めのオープニングアクトの濃密さ。アストンマーチンDB5、カッコいい。
過去4作の繋がりを感じさせる演出や小道具がそこここに見られるのも楽しい。
ラシャーナ・リンチが演じる新たな00エージェント、ノーミにもう少し魅せ場があってもよかったかとも思いましたが、ボンドとノーミの関係性の変化はいい。
好きな女優のアナ・デ・アルマスは、長い登場時間ではなかったですけど、十分魅力を感じられたので満足。
同じく好きな俳優のベン・ウィショーが演じるQが、相変わらずボンドに押し切られちゃうやり取りも楽しい。
ラミ・マレックが演じる最後の敵サフィンは、正直そこまで魅力を感じられなかったか。表情を変えるわけでもなく冷酷なことをしようとするところや、目立った主張をしないところから不気味さを感じさせたかったのかもしれませんが・・・。まぁボンドとの対比としてはよかったのかなぁ?
あと子役の表情が最高によかった。あんな子、どうやって見つけてくるのだろう。
レア・セドゥ演じるマドレーヌとボンドの会話、そしてその子の表情も相まって、そりゃあもうクライマックスは号泣ですよ。007作品で号泣させられるとは。

もちろんストーリー的に引っかかるところはあれど、今回はとにかくダニエル・クレイグ最後のボンド作品ってことで、メチャクチャ贔屓目に観たから、引っかかる部分は華麗にスルー。
でも全体的にテンポもよく、中弛みすることなく、駆け抜ける爽快感があるのは確かなので、十分に堪能できると思います。
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