トトロイ

007/ノー・タイム・トゥ・ダイのトトロイのレビュー・感想・評価

3.8
【本当に最後なんだよなぁ…】

ダニエル・クレイグが演じる最後の007。

ちょっと映画館でウルっときてしまいました😢。

旧作からのファンの方もダニエル・クレイグになってから007を観始めた方も楽しめる、最高のアクション映画だったと思います。

思いますが…これで最後かと思うと少し物足りなさを感じてしまうのも、また事実。

ファンとしては5.0の評価をつけたい作品ですが、映画単体として評価するとどうしても3.8くらいになってしまうなぁ🤔。

では、良かった所から。

最後ということもあり、過去4作品に登場したキャラが再登場したり、旧作へのオマージュが至る所に散りばめられていたりと、嬉しい演出の数々に本当に興奮しました。

特に車と音楽のチョイスは本当に秀逸ですね。
音楽がハンス・ジマーってのも嬉しかった〜。
最高の劇伴。

ストーリー面では前作のような中弛みはほとんどなく、目が離せない展開の連続で、尚且つ過去作との繋がりを見つける楽しさもあり、本当に、あっという間でした。

前作までのキャラと新キャラの絡みも見応えがあり、良い意味でこれまで007っぽくないので、終始ワクワク。

マドレーヌとボンドの関係性も、前作で説明の足りない部分を補っているようで面白かったです。
この辺は『女王陛下の007』の影響を受けているように思います。

レア・セドゥ好きになっちゃたよ。

とにかく最後まで本当に盛りだくさんというか、映画全体を通して『エンドゲーム』のようなお祭り感がありましたね。

ラストは賛否両論あると思いますが、私は本当に感動しました。

今まで何度も世代交代を繰り返してきた007ですが、実はこういう風にしっかりとシリーズを締めるのって初めてなんですよ。

本当に感慨深かったです。

とまあ、このようにラストを飾るに相応しい作品だと思える部分がある反面、「こういうラストにするならもう少しちゃんとやってよ☹️」と言いたくなるポイントもいくつかありました。

まず、シリーズの集大成なのに、ラミ・マレック演じる敵のキャラがイマイチ過ぎた……。

今作は途中までは、本当に文句の付けようの無い作品なのに、本当の敵の正体が徐々に明らかになるにつれて、映画に少しブレーキがかかったように思います。

かなりスケールの大きい悪事を企んでいる割に、動機が単純というか、微妙なんですよね……。
能面つけた姿は迫力があって好きですが、少し軸の定まらないキャラだったように思います。

一番大事な最後の戦いも、ちょっと空回りしてるしなぁ。
結局、彼のルーツは南米なの?日本なの?ロシアなの?

それ以外にも少し強引な伏線回収や、微妙なセリフがいくつかありました。
あと急な展開もいくつか……。

これが監督が途中で交代したことによる弊害なのだとすると、ダニー・ボイルに最後までしっかりやって欲しかったですね。

最後に、これは作品の内容とは関係ないのですが、ちょっと字幕が分かりづらい!

かの有名な戸田奈津子さんに文句をつけるのは大変恐れ多いのですが、結構大事なシーンの文脈が曖昧ですし、英語のセリフを聞く限りではちゃんと言及しているのに、日本語だと少しぼかされているように思う字幕がいくつかありました。

こうして振り返ってみると、本当に色々と歯痒い部分が多い作品でした。
決して手放しで絶賛することはできないです……。

ただ、今作はダニエル・クレイグにとって最後の007であり、15年近く続いた偉大なシリーズの最後を締め括る重要な作品なんです。

6代目に任命された当初は「007が金髪なんてありえない!」とか言われてましたが、そんな古くからファンの不安を見事に跳ね除け、15年にも渡って最高のジェームズ・ボンドを演じ続けてきた彼も、今作で引退。

幼少期から007を観て育った自分にとって、今作のラストは本当に衝撃でした。
最後のあの背中を観ると、色んな感情が沸き上がってきます。

史上最高のスパイ映画に一つの終止符が打たれたことはもちろん、彼の演じるジェームズ・ボンドをもう観れないと思うと、本当に寂しいです。

だから今はただ、彼に「ありがとう!」と言いたい。
本当にお疲れ様でした!
トトロイ

トトロイ