Kohtaro

007/ノー・タイム・トゥ・ダイのKohtaroのレビュー・感想・評価

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IMAXレーザーで2回見ました。ダニエル・グレイグ版007の中でも屈指の完成度だと思いました。

印象的な映像を作るシーンがかなり上手だと感じます。サフィンというキャラクターに能面を付けさせることで画面の迫力を出したりこと、イタリアの白を基調とした景観が息を呑むほど綺麗なシーン、サフィンのアジトの現代建築と日本庭園の融合や並び立つ光るポールなど。

アクションについても007らしく既視感のない大規模なものがこれでもかと詰め込まれており大満足でした。

編集のされ方もかなり上手いと感じました。マドレーヌの愛する人というフレーズの直後にジェームズ・ボンドが映し出されたり、イタリアでジェームズ・ボンドが倒した敵のバイクをチラッと見た直後に勢い良く運転してるカットになったりと。画面の切り替えのテンポが良い事が全体の映画としてダレの少ない仕上がりに結びついてると感じます。

ただ、不足に感じる部分が一切ないわけではありません。アナ・デ・アルマスが演じるパロメのキャラクターがとても良いにも関わらず出番は一度だけで後半の出演が一切ないこと、ラミ・マレクが演じるサフィンの思想が作り込まれておらず、ラミ・マレクの演技力だけで作品として逃げ切っていることなどです。

ただ、既に150分を超えている映画であり、削るべきだと思うシーンもほとんどなかったため、追加するのも難しかったのかとも思います。

あとはボンドカーの防弾ガラスの強度に驚きました。次の007も楽しみです。
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