さらば、ダニエル・クレイグー15年間の集大成。
昨年の3月に前売り券を買い、公開延期の憂き目に遭いながらも、私自身鑑賞を今か今かと待ち構えていた作品。
007という60年くらい続く映画シリーズの中で、今作が大転換を迎える作品であると皆が口を揃えて言うのは間違いない。確かに画面に映るアクションやボンドの抱える苦悩は我々の前にはっきりと映し出され、観客もそれを受け取ることは十分に可能ではあると思う。
だがしかし、この映画を「ダニエル・クレイグのジェームズ・ボンド5部作」の最終作というにはいささか物足りない作りであったのも事実だ。悪役としてのサフィンの掘り下げ具合が浅い(シリーズ何作かかけてやるべきだと思う。それこそブロフェルドラスボスでも良かったのでは?)、ジェームズ含めてキャラクターの心情を全然深掘りできてない、などという問題点から、尻すぼみな最終作となってしまったことはいささか残念である。
文句をつらつらとは書いてはしまったが、アクションや冒頭の戦いのシーンなど、光るものはあったので満足と言えば満足である。一応最終作ではあるので、より凄いものを期待してしまったから寂しい気持ちもあるが。