前評判が高く劇場公開日も決まった矢先に、酒鬼薔薇事件が発生し、犯人の少年がホラー映画ファンという事で、青少年への影響を考慮して、公開が延期になった記憶が蘇る・・。
25年ぶりに見直してみると、やはり、90年代を代表する新しいスタイルのホラー作品で完成度が高い。当時、キャストの中では一番知名度の高いドリュー・バリモアが惨殺されてしまうというショッキングなオープニングから始まり、猟奇連続殺人鬼の意外な真犯人像に辿り着くまでの段取りが上手いし、死神のマスクと言った印象に残る小道具の使い方も効果的。
神出鬼没の殺人鬼のスピーディーな動きは華麗だし、ジラし演出が全くなく、とにかくテンポが良い。「プロムナイト」や「ハロウィン」といったモダンホラーの名作を引き合いに出して、B級ホラーの法則を皮肉っているのも面白い。この部分を解説するヲタクキャラクターはかなり好き。
二回目の視聴で一番感心したのが、犯人を示すヒントが作品内できちんと示されていて、極めて視聴者に対してフェアな作りとなっている事。進んで行くストーリーの中で、うっかり忘れがちな盲点を上手くついているが、最初の高校の噴水前に仲間が集まるシーンでの会話の食い違い、クライマックスとなるパーティー会場が誰の家で催されたのか・・?を冷静に考えると、この殺人鬼の正体に全くもって矛盾はない。
典型的なスラッシャームービーでありながらも、実はそこまでの残酷描写が無いのも自分好み。
ウエス・クレイヴン監督、やっぱり勢いがあったなあ。
ちなみにドリュー・バリモアが間違えてしまった犯人から出されたクイズの回答・・「13日の金曜日」の犯人の名前は?・・。劇場公で見た時は、「なんだ、これホラー初心者向けのクイズじゃん」とか思ったもんだが、ジェイソンのママとはすぐに分かるけど、「名前」となると確かに出てこない・・。ミセス何とかが正解なんだろうな。
自分もやっぱり生き残れないじゃん!