たいてぃー

少女は夜明けに夢をみる/ 夜明けの夢のたいてぃーのレビュー・感想・評価

3.6
イランのドキュメンタリー作品。罪を犯して更生施設で暮らす少女たちが主人公。その少女たちにインタビューするスタイルで進む。答えた内容が過酷で重い。聴いてて、相当、落ち込む。出所するのがイヤだと、泣き叫ぶ、「路上生活に戻りたくない」
イランは石油で財をなし、富裕な国と思い込んでいたが、貧困による少年・少女たちの苦しみは、どこの国でもあることを思い知る。
インタビュー以外のシーンもある。
・外で雪を投げ合う。健気で屈託が無い。
・外部の講師に少女たちが鋭い質問を浴びせる。社会に対する鬱憤が溜まってる。
・歌う、そして踊る。苦しみから逃れる手段なのか。
・親と電話する。罵倒を繰り返すが最後は涙。
・外部の風景を映す。自動車が走り、普通の生活がある。
これを撮り切った、監督の執念に痛く共感。少年院(少女院)の顔出しスタイルが本当に驚愕。日本では到底無理な撮影法。とは言え、日本でも子供への虐待行為は顕在化している。そして、イランは現在、アメリカ合衆国と対立関係にあり、事件も発生している。外交ばかりに力を入れていいのか?我々は、こんな状況の中、何ができるのだろう?いろんな思いが過り、いたたまれない気持ちになる。本作を製作・提供した人たちの熱意に頭が下がる。