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顔たち、ところどころのmegのネタバレレビュー・内容・結末

顔たち、ところどころ(2017年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

フランスという場所とその言葉の響き方が流れる時間をゆっくりにしてるように思えた、君の名前で僕を呼んでのときも時の流れがゆっくりだった。
なんの前知識もなく行ったが、単調といえばそれで終わってしまうけれど、ドキュメンタリー好き人間としてはとても満足した。

クラウドファンディングで企画され映画監督のアニエスと写真家のJRが顔写真を貼る旅をしていくものだが、バックグラウンドかわからない状態で見ると察する必要がある箇所が多かった。芸術への教養が試されるところだが残念ながら持ち合わせていなかった模様。

旅で出会った人々の物語を掘り下げる部分が多いが、鐘をつく人の人生、ボロ屋に住む自由な芸術家の人生、様々な人生の形を要点要点掴むのがなんとも好きだった。
そして鋭い切り口や着眼点も多く、例えばヤギの角を焼き落とす牧場の前にツノのあるヤギの写真を貼り、意見を求めるあたりとか。日本的な考え方では「それ怒られない??大丈夫??」と思ったりも。素直にそういう思ったことをぶつけ逆に他人の考えに影響を与えてるのはすごい。

大掛かりに海岸で写真を貼るも一晩で流されるのもじわじわきました(語彙力)
ふつうにその後の吹き荒れる砂浜のシーンが美しすぎたしなんというかじわじわします。


終盤アニエスの言う顔写真を撮る理由や人と出会う理由がとても響いた。想像力を働かせること、そして人との関わりの中で発想や成長が生まれていくこと、なんとも芸術家らしいしJRの生き方に合致する点も多いなと思った。では逆にゴダールはどうだろう。
いつかフランス行って巡礼したい。
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