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顔たち、ところどころの775のレビュー・感想・評価

顔たち、ところどころ(2017年製作の映画)
4.4
やっと観れた。。アップリンクで公開してる時、タイミング合わなくて行けなかった。
だけど内容からして絶対おもしろいよなぁって思ってたので早稲田松竹様々な再公開。

アニエスという巨匠とJRという現代に生きる現代アーティストの不思議な旅。
ほのぼのとしたフランスの田舎町の雰囲気とのんびりした2人のやり取りがとてもはまっていた。
パンフレットなどにも書いてあったがアニエスは話を聞き出す達人。その場その場にいる人たちのリアルな声をひっぱってくる。そこにJRの気さくでユーモアのある会話がそこにいる普通の人たちをリアルな顔で撮らせる、2人の良いところが合致してこそのグラフィティーそのもの。
見た人の主観で感じて欲しいから、説明も何もなく名前も書かない。そんな表現はバンクシー的な感じなのかな。だから好きなのかも。一瞬の記憶でだけど、心には残るものをって。

自分の姿を家のサイズに合うような写真を貼られてたらなんだかそれは恥ずかしいより、誇らしいし嬉しいだろうな〜、涙するシーンにそりゃあそうよなぁ〜って、嫌だなぁとかってよりそういう感情を抱いてくれるの素敵だよな〜って思った。

この作品を観てても思うけど、アートってどうしてもなんか凄い人がやる凄いこと!みたいな感じに囚われがち。
だけどそんな考えよりも、もっと皆んなが身近に感じて、大衆が触れるべきものなんじゃないかなぁと思うし、みんなの生活に花を咲かせるそういう役割こそが本質なんじゃないかなぁって思う。『アートって凄いなぁ!』って感動してる人はたくさんいて、この作品の中でも一般の方が仕事の手を止めてまでお手伝いして、何か携わろうとしている、そんなシーンがたくさん見れてとっても素敵だった。

日本なんか特にそうだけど、アート作品はお手に触れないで下さいとか、写真はダメとか、なんか堅物なイメージを付けがちだと思う。もっとリアルに感じてこそ、作品から感じる物ってあるし、知ってこそ面白くなるじゃん!って本当に思う。

いろんな気持ちに火を付けられるとてもステキな映画。

ドゥミもゴダールもフランス映画はやはり観ないといけない宿命ダァ!!!!
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