のんchan

顔たち、ところどころののんchanのレビュー・感想・評価

顔たち、ところどころ(2017年製作の映画)
4.2
アニエス・ヴァルダ3作目
これはご本人と写真家・アーティストのJRがフランスの田舎街を旅しながら、人々とふれあって育んで行くハートウォーミングなドキュメンタリー📷

すご〜〜く良かった〜〜大感動🥺
まだまだずーっと観ていたかった。何時間でも見続けられそう。私にとって、画面から感じとれる空気感とかそのままの自然、美しい風景とか、アニエスが好きというモノ、話す内容、全てが興味深くて、なんだかキラキラと輝く宝石箱みたいな作品だった✨

アニエスばぁちゃんがも〜う可愛いくてかわいくてカワイイ💕😍💕
ぎゅーっとハグハグしたくなるような温かいお人柄❤️大御所なのに気さくで飾らなく、誰しもが話してみたくなるようで、聡明で賢くてとにかく素敵な女性だった🌟
視力が落ちて来て階段だって大変。足下が覚束ないから杖も必要な当時87歳。
今まで生きて来た経験、仕事、出会った人々との想い出の記憶を遡る。

旅のお相手はまさに孫なような当時33歳の写真家でアーティストのJR🕶
彼のメルセデスのスタジオ付き改造トラック🚚(街中にあるインスタントスタジオを積んでる感じ?になっていて、写すと直ぐに脇からプリントアウトされる仕掛け)

ときに無計画でハンドルを握り、知らない村、町へ出掛けて、そこそこで出会う人々の話を聞き出し、写真を撮る。それを即行でプリントして家や小屋、廃虚、至る所の壁面に貼り出して行く。
それがとてもとても素晴らしくて、住人や道行く人、旅人達が足を止めて眺める。

2人は色々お喋りしたり、歌ったり、どんどん仲良くなっていき、時には減らず口の孫に頭に来るばぁちゃん。喧嘩してもまた年寄りを労る孫。そんな関係がつくづく微笑ましい🥰
ただ、JRはいつも黒のサングラス🕶を掛けて帽子を被っていて、1度も素顔を見せてくれない。アニエスばぁちゃんはそこがちょっと不満の種😒

アニエスは十分協力してくれたJRにプレゼントのつもりで、昔からの仲間である映画監督のジャン=リュック・ゴダールをJRに紹介してあげようと、ゴダールに連絡を入れて、はるばる電車に乗って自宅を訪ねる。ところがどういう訳か留守。そしてガラス窓に意味深なメッセージが書かれてあった。
さすがにアニエスが落ち込んで「気持ちがこんがらがって...」と言い、今にも涙が流れそうに...そこでJRは「何をすればいい?僕に何が出来る?君のために」と言って、絶対に外さないサングラス🕶を外して素顔をアニエスだけに見せる(画面はボカシが入る)
そこでアニエスはようやく心が落ち着いた感じ。映画はそこでおしまい。

2人のアーティストが制作した写真のアートは素晴らしいでした✨
短いのでご覧になられていない方は是非‼️


《余談》
アニエスは独特のヘアスタイルです。マッシュルームカット🍄なんだけど、頭のてっぺんから半分が白髪、そして毛先の方は明るい茶色。いかにもアーティスト💫

JR「なぜ2色に染めたの?」
アニエス「色が好きで!あの犬みたいに白髪でいたくないから」と目の前に横たわっている大きな白い老犬🐩を指す。
そーいう何気ない会話も自然にしていて、とにかくアニエスの大ファンになりました💖
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