櫻

友罪の櫻のレビュー・感想・評価

友罪(2017年製作の映画)
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誰もが大きさや重さは違えど、過去のあやまちや罪を抱えながら、赦したり赦されながら生きているはずだ。そうやって、誰かの優しさにふれることで、より優しくなれたり、人の哀しみに心から寄りそえるようになっていくのだろうと思う。

いつもどこを見ているのかわからないような彼は、やめて、もういいよ、って言いたくなるほどに自分自身を傷つけていた。自分のおかしてしまった、大きな重い罪を償うためには、身にふりかかってくる理不尽や暴力を全部、抵抗せずに受けとめていくべきなんだと。そうしなければ、おかした罪は償うことはできない、だって自分は死ぬこともできずに、今生きているのだから。どんなに殴られても蹴飛ばされても、酷い仕打ちを受けても、笑っていた彼は、そんなことを思っていたんじゃないだろうか。彼の起こしてしまった罪自体はまぎれもなく凶悪だ。でも、私がみた彼は、心の中で自分自身を責めたてながら、社会を知らない子どものように純粋で、他者にあまりにも優しかった。

過去のあやまちや罪から、逃げてしまうことも、それらを捨てさっていくことも、それ以前に戻ることもできない。抱えていくには重すぎる罪でも、時間をたくさんたくさんかけながら、それぞれのやり方で向き合っていくしかないんだと思う。誰かを信じ続けることは難しくても、信じなおすことはできるように。きっと彼は、彼らは、それから私たちも、いくども立ち止まりながら、ふたたび自分を赦しながら、これからも生きていく、どうしようもなく苦しいかもしれないけれど。