ハリス56号

友罪のハリス56号のレビュー・感想・評価

友罪(2017年製作の映画)
3.4
公開初日に鑑賞、平日昼の回だったけど観客4人は寂しすぎ。
テーマが重いからいまいち人気出ないかな…

内容としては実際に重くて苦しい。と言うのも、全篇通じて登場人物みんなが何らかの贖罪抱えて生きていて、償い救いを求めてもがき苦しんで生きている。
14歳の時に連続殺人を起こした瑛太くんがいわゆる少年A。トーマ君も学生の時いじめられていた友達を最後に見捨てて自殺したという過去を抱えている。佐藤浩市は息子が無免許運転で子供三人を死なせた。そしてその息子自身も更生してるだけに辛い。

この作品のテーマと言うか根底が『犯した罪は償えない』と言う事なので救いがない。救いがない話はそれはそれで嫌〜な気分になって嫌いじゃないんだけど。『葛城事件』とか。

ただ本作は、そこまで嫌〜な感じもない。しかも、宣伝では「心を許した友は、あの少年Aだった。」ってあるけど、そこまでの二人の交流が描かれないので心を許した感が皆無。これだと、偶然に瑛太の正体を知ったトーマ君が周りにバラしただけに見えるよ。感情移入できない。瑛太の少年Aとしてのサイコな感じが良いけど、それもなんだか少し大げさで滑稽に見えてしまった。佐藤浩市は葛城事件の三浦友和とかぶってヤナ奴だった。

ただ、犯罪者たちはそれぞれ、過去の罪を償いたいが償えない、それでも生きていかなければならないという悲しい心境をとても丁寧に描写はしてると感じた。

疲れた。
ハリス56号

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