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友罪のouckyのレビュー・感想・評価

友罪(2017年製作の映画)
3.9
自分の友人が元「少年A」で幼児殺人鬼だったらという重い映画。
見終わった後、どっと疲れました…。
とにかく、作りが淡々と丁寧に人の傷口をえぐって行く。その都度、自分が過去に抱いた嫌な気持ちや、嫌な想像など心の陰部にアクセスしてどよんとした気持ちにさせる。
この物語に登場する人物たちは物凄く不幸だ…。まるで、不幸のびっくり箱見たいに…。そして、キャラクター自己中心性的な人しか登場しない…。罪悪感、他者とは違う思考を持った自分、学歴、母性、父性、あらゆるコンプレックスが人々を傷つけ、そして蹂躙して行く…。それでも、人は生きたいと願う、その様が異様な程の演技力で紡がれていきます。特に瑛太の芝居は神がかっていたというか、14歳にて殺人を犯し、未成熟なまま、大人になり感情表現が下手くそな男を見事に演じていました。自分のアイデンティティと他者との解離を施設で強要され、価値観を捻じ曲げられるが心底に潜む異常性を隠せない男を見事に演じています。
また、息子の罪を背負い家族が崩壊するが謝罪、卑屈になる事により、自我を形成し続けて行く父親役を演じた佐藤浩市とか、身震いする芝居でした。とにかく、この作品に出演していた役者たちのパワーは半端なかったです。
間違いなく万人ウケする映画ではありません、みた、見終わった後のモヤモヤする不快感は良い意味で最低ランク。しかし、怪作である事は間違いありません。