ぴな

友罪のぴなのネタバレレビュー・内容・結末

友罪(2017年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

スクリーン2

肩透かし食らった感がすごい。
例えるなら、豪華なコースメニューなんだけど、どれも味付けが薄くて食べ応えのない感じ。

複数の家族の物語でもあり、やり直したい過去や罪を背負っている人達の物語。
が、話を多方面に広げすぎて、逆にどれもが中途半端。
その説得で気が怯むの?それで関係が修復しちゃうの?もうそんな友情感じちゃうの?10年ぶりの再会でそれ?いやいや警察呼ぼうよ、とか細かい所で飲み込みにくい描写が多々あって、とっ散らかった印象しか残らなかった。

記者の元彼女の振る舞いは謎すぎるし、そもそもプロの記者として言動が軽いし、益田の考察もそれ当時にきっと推察できたよねっていう内容…。
後悔や自責の念、死にたい気持ちと生きたい気持ちの葛藤とか、もっと掘り下げられたんじゃないかなぁ。

益田、鈴木、山内の全てに焦点を当てすぎて(3人が繋がりはしない)、別々の短編集を無理にまとめたかのような仕上がり。
64ロクヨンが最高だったから、今作も期待していたのに、残念。

酒鬼薔薇事件に着想を得たのはわかるけど、世を震撼させた大事件だったにも関わらず、青柳の『少年A』の闇はあまり感じられなかった。
それよりも、益田が後悔している出来事の方が重たい。
いじめられている人間にとって、一番辛いのはいじめられること以上に、"どこにも居場所がなくなること・信じていた人間に裏切られること"だから。
色紙ではなく、彼が投げかけた言葉は、背中を押すに十分だったはず。
そして、それを理解して慟哭する生田斗真の演技と、何とも言えない表情を浮かべる瑛太の演技は良かった!
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