Inagaquilala

友罪のInagaquilalaのレビュー・感想・評価

友罪(2017年製作の映画)
3.5
原作が未読なので、そちらではどのような扱いになっているのか承知していないのだが、どうも佐藤浩市が演じているタクシー運転手と、主人公格の2人、元ジャーナリストであるのに工場で働き始めた益田(生田斗真)と同時期に入ったどうやら重い過去を背負っている鈴木(瑛太)との絡みが、いまひとつしっくりこない。むしろ、ドラマは益田と鈴木の関係に絞ったほうが良かったのではないか。インテリである益田を演じる生田と、無口な鈴木を存在感豊かに表現した瑛太の演技はなかなかスリリングで、同じ寮に住む同僚との緊迫関係にはスクリーから目を離せない。

やがて、鈴木が17年前の連続殺人の犯人だということがわかってくるのだが、このあたりの演出は瀬々敬久監督の独壇場だ。途中、いろいろな方向に話が拡散することがなければ、かなり質の高いミステリー作品となったのに、残念だ。それにしても、このところ影のある役を演じさせたら、瑛太はこの世代のなかではピカイチの上手さかもしれない。
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