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友罪の821のレビュー・感想・評価

友罪(2017年製作の映画)
1.5
とっ散らかってる感がすごい…。
冒頭20分くらいはかなり良くて、食い入るように観てたんですけど。中盤〜終盤にかけて、エピソードがとっ散らかったままうまくまとまらず、柱となるエピソードも掘り下げられることがないまま不完全燃焼で終わってしまった、という印象です。

作品そのものとしてのテーマはよく分かりました。加害者の罪と償い。少年犯罪と加害者となった子をもつ親の責任。加害者が幸せを求めることは赦されることなのか。
ただ、そのテーマを描く各エピソードが…。多面的に描こうとした事は十分に理解できるのですが。
特に、佐藤浩市演じるタクシー運転手の家族のエピソード、本筋とは直接的な繋がりないし、必要だったのか?と疑問です。むしろ位置付けを理解するまで、若干混乱したので。
たしかに、当事者が増えることで「加害者」「加害者家族」のあらゆるケースが描けていたと思うんだけど、映画としてはちょっと広がりすぎたかな感が否めませんでした。

そうやって、サブエピソードに時間をかけすぎてるので、本筋でなんか脈絡のない動きが多くなってしまったように感じる。益田があそこまで執着心を持って鈴木のことを調べたのか、ちょっと繋がらなかったし、記事や写真を元同僚(元カノ?)に見せたのもよく分からん。退職原因が会社の「裏切り」なんやったら、また同じ轍を踏むのは目に見えていたのでは…。
寮の4人の絆(あるいは鈴木が一方的にあると感じていた絆)も、それまでに特に深く描写されているわけでもなく、むしろ溝は深まっていたような感じがしたので、終盤の鈴木の言動はとても唐突に感じた。

瑛太はじめキャストの皆様の演技に圧倒されてたので、最後まで鑑賞できた感じでした。
オープニングの「友罪」の文字の出方はとてもよかったです。好きです。
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