Hideko

47歳 人生のステータスのHidekoのレビュー・感想・評価

47歳 人生のステータス(2017年製作の映画)
4.0
原題: Brad's Status

主人公のブラッドは今の自分が持っている幸福に気付かず、元大学の同級生の成功を羨んでばかり。本作の設定では47歳になっているけれど年齢関係ないと思います。

自分が負け組だと思い込み、息子のトロイがハーバード大学に入れそうなことが発覚すると途端にハッピーに。自分の果たせなかった夢を子どもに託してしまう最悪の親になり、そしてその後成功したトロイが今度は自分をバカにするのではないかと妄想を巡らす。

トロイのオーケストラの女ともだちの方が余程大人でしっかりしていましたね。
“You have enough!”

最も情けないのは47歳という年齢で、自分の望む成功をしていないからではなく、恵まれた人生に感謝する心を持っていないこと。息子のトロイがあんなに真っ直ぐ好い青年に育ったのは親の正しい教育あってこそ。自分の子育てに間違いはなかったと誇りを持つべき。

京都龍安寺の蹲踞(つくばい)に刻まれた言葉。

『吾唯足知』(われ、ただ足るを知る)

「吾唯足知」は、簡単に言ってしまえば「満足する気持ちを持ちなさい」との意味であり、「足ることを知る人は、心は穏やかであり、足ることを知らない人は、心はいつも乱れている」との釈迦が説かれた教えです。

この言葉をブラッドに贈りたい。

かく言う自分も、悩み落ち込み、自己否定や不満を感じることを今すぐ止めなければ。
本当に幸福になるために!

本作、軽いタッチで観やすく、しかし大切な教えを含んでいてなかなか深いですね。
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