史上最悪の連続殺人 食人鬼とすらなってしまったジェフリー・ダーマーの青年期。
両親からの身体的な虐待はなくとも、
微妙な距離感の父親、メンタルの母親のもとに生まれ、精神的に疎外感を与えられたりする劣悪な家庭環境、
孤独感と
承認欲求、
性や交友、
そして 倒錯した愛に、死への興味。
「親友がいたらいいのに。」
そう”親友たち(仮)”の前で呟くジェフが欲したのは、
きっと、そっと自分のそばにいてくれる奴だった。何も言わずに、ただずっと自分の傍にいて、自分と一緒にいてくれる…
その最適な相手が、
“息の根を止められて思考力をなくした人間”になるにはそれほど時間はかからなかったのだろう。
決していいとは言えない 彼の育った環境や、
認められない同性愛の予兆、
自己とのどうしようもない葛藤。
同情的な視点を煽ってくるも、
観る側には あくまで”独りの変人”として距離を置いてくる感覚が興味深い。
それがまた題名の”MY FRIEND”の部分にも繋がってきそう。
独りの青年が、シリアルキラーになっていく様をバイオレンスに見つめるというよりも、
より心情にフォーカスすることで、
血生臭さよりももっと得体の知れない恐怖の匂いがした。
そういう点で、好感が持てる作品でした。
なにより、ロス・リンチの怪役ぶりがすごい。
アレックス・ウルフに関してはもうナット・ウルフでしかなかったです。笑
ジェフリー・ダーマーについては、私はほとんどなにも知識がなかったので、
逆にいろいろよかった気もします。
そんな人がいたのですね…
こわいですね…。