ジャッキーケン

ブラッド・スローンのジャッキーケンのレビュー・感想・評価

ブラッド・スローン(2016年製作の映画)
3.8
飲酒運転事故で刑務所に収監されてしまい、同人種ギャングから刑務所で生き残る術を身につけ頂点に上り詰める明らかに僕好みな作品ではありましたね。
ただ期待しすぎていたこともあってここをあーすれば良かったのにって思うところもありましたね。

順風満帆な人生を歩む主人公が刑務所に収監され世界一過酷な弱肉強食の世界からどうやって生き抜くのかを描く刑務所パートと釈放後のパートが並行して描かれる。
刑務所パートではエリート人生を送っていた主人公が歩むことのなかった現実をハードに描きかつリックローマンウォー が世界一ヤバイアメリカ刑務所のリアルを描き出す。エリートという点以外一般人の僕らと変わりない主人公なので説得力がありますしもし僕が収監されたらどうやって生きて行けば良いのだろうという葛藤も湧いて出て来ます。
ここがヤバイと思ったところは刑務所序盤、収監されたばかりの受刑者達の一人が夜に黒人ギャングにレイプされるシーンは手っ取り早くヤバさを伝えてくれる。そこから主人公にも試練が降りかかってくるのですが弱さを見せず強さを押し通す度胸を見せることで白人ギャングに認められていてく。まず一つ分かることは刑務所に入ったら必ず仲間を作ること。弱さを見せないことですね。
そこから強制参加の暴動や殺人任務を請け負ったりして地位を高めて行く主人公に応援しながらもシャバで待つ妻子から遠のいて行く悲しさが感じられます。
プリズナートレーニングで体を鍛えあげるシーンではそこだけで飯3杯行けます。
こんなに刑務所パートは面白いのに釈放後は普通のクライムドラマなのでそこまで盛り上がりません。ただ妻子との再会は泣けます。特に息子が良い奴で受刑者だった父親を恥じてないというかむしろリスペクトしているのが刑務所パートで描かれる刑務所はリスペクト社会という点を息子に反映させていてこれまたグッと来ましたね。

監督脚本を務めたリックローマンウォーは実際の刑務所でこの映画を撮影したり受刑者は役者を使わず実際の格闘家に演じさせエキストラには本物のギャングを使うこだわりを見せているんですが、本物の格闘家を起用しているならそれなりの格闘シーンをもっとあっても良かったと思います。むしろ戦闘シーンが少なすぎる。暴動の場面は確かに凄いですが乱闘って感じなので格闘技っぽさがないです。リアルを徹底してるのは感心なんですが地味なんですよね。そこは本物の格闘家を使いリアルを脱線してでも見せ場を作って欲しいと思いました。

不満はありつつも見応えのある作品です。
同じプリズナー映画なら「デッドロック2」「ロンゲストヤード」などの名作もありますが本作のような刑務所のリアルを見たい人にはうってつけの作品だと思います。受刑者になるのを控えてる人はぜひとも収監される前に本作を見て刑務所で生き残る術を学んで見てはどうでしょうか。