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コードギアス 反逆のルルーシュII 叛道(はんどう)のPANDADAのレビュー・感想・評価

3.0
「コードギアス 反逆のルルーシュ」の総集編劇場版第2作。

神聖ブリタニア帝国に占領されエリア11と名付けられた日本で反旗を翻したゼロこと第11皇子ルルーシュ。彼の率いる黒の騎士団は旧日本政府組織「キョウト六家」からも支援を受けられるようになり、その力は増大し、日本解放と神聖ブリタニア帝国打倒を目指す。一方、エリア11副総督第3皇女ユーフェミアはルルーシュの親友スザクを自分の騎士に任じ、地域限定ではあるが差別のない「行政特区日本」の設立を宣言する。対して黒の騎士団は、、、というお話。

原作であるTVシリーズとほぼ同じキャストで、変更されたのは、玉城、V.V.、天子。
玉城は檜山修之が演じることになり、「おバカさん」というよりは熱血漢という感じになってしまって残念。
TVシリーズではあえて子役を使っていたV.V.と天子ですが、よくぞ見つけてきたと思うくらい声の似たキャストを当てています。
特にV.V.は本作の河城英之介の方が上手かな。

ストーリーは前半と後半で全くテンポが変わります。

急ぎながらも丁寧にブラックリベリオンまで話を刻んでいて、前話「I 興道」と同じくらいのテンポ。
まあ、良い出来だと思います。

ところが後半は猛ダッシュ。
TV版の後編「R2」の前半部をほぼ切り捨て。新規カットで追加したキャラ達の会話シーンでの説明セリフでコトを済ましています。

TV版は前編の衝撃的なラストを綺麗に繋ぐため後編ではゼロの復活と黒の騎士団のリスタートを彩る話に結構な時間を割いていましたが、前編の後半と後編の前半を一緒くたにした本作ではこれも仕方ないのかな。

でも、切り方が酷いですね(笑)。
挙げるなら、

・学園祭での扇とヴィレッタの出番をカットしたので、2人の距離が縮まるエピソードなし。
・ロロの「体感時間を止める」ギアスは、説明だけで、本作では一度も発動してない。
・後半になるとカレンの出番はまるっきりなし。
・ゼロの正体を知って驚きつつも、身体を張ってゼロを守り散った卜部の戦死もなし。
・「百万のキセキ」をカットしたのでなんで中華連邦に行くことになったのかまるっきり分からない。
・天子がらみの話も丸々カットしてしまったので、ルルーシュ並みの戦略とスザク並みの操縦技術を持った星刻の影が激薄に。
・ラクシャータさんの胸アツ台詞、
「舞い上がりな、飛翔滑走翼!!」
が無くなってしまった。。。

シャーリーの悲劇については、まあ、本作にユフィの悲劇は入っているし、1作に2つも鬱展開を入れるのも憚られるので、カットされてもまあ、良しとしましょう。

この後半の猛ダッシュのせいで、TV版を観ていない人はついてこれないと思います。

上手な編集で「劇場版 機動戦士ガンダム」を彷彿とさせた「I 興道」に比べるとかなり質が落ちていて、なんとかそれを新作カットで補っている感じ。

もう少し尺を長くとるなりしてなんとかならなかったものかなぁ。

惜しい分だけ非常にもったいないと思います。
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