マクガフィン

コードギアス 反逆のルルーシュIII 皇道(おうどう)のマクガフィンのレビュー・感想・評価

4.2
少年・ルルーシュの壮絶な野望を描く物語。3部作の最終章。アニメ未見。

何が嘘で何が本当かが分からない、目まぐるしく変化する怒涛の展開で、それぞれの思惑が交差していく模様は興味が尽きなく、中盤・終盤・ラストへと繋がる経緯に唸らされる。

終盤の哲学論争を加えたバトルはアニメならではの熱さに。新型核兵器を搭載した空中要塞の造形や天まで昇るような飛行はメタ的にも。中盤に描写した新型核兵器「フレイヤ」の威力も効果的で、それを巡る、出し抜いたり先を読む攻防もこれまでと同様な頭脳戦に。陣形を気にかける戦術や空中戦なのに地形を利用するスタイルもシリーズ通して全くブレがない素晴らしさで、最終バトルがメインでない展開は圧巻に。

ラストに向けて積み重なれた伏線が一気に回収され、「撃って良いのは撃つ覚悟のある奴だけ」のセリフを体現するような、カタルシスは壮大の一言に尽きる。
世界征服を目指す目標が最終ではなく、その後の平和が目的で、目標とは目的を達成するためのもと言う崇高な行動は、決して正しくはないが、哲学問題の一種の答えでもあるかのように。
人智を超えた能力を手に入れた対価を自分で裁く贖罪は尊厳に満ち溢れて切ない。1部から多くのセリフや行動を一気に回収する想像の範疇を超えた行動は、誰も手の届かない至高で孤高の戦いへと昇華する。
仮面をメタファーとして、嘘を隠して、一切言い訳せずに最後まで嘘つきスタイルをラストまで貫くとは。会話やBGMを削り落としたカタルシスの演出も見事。

シリーズ通じて情報量が多かったが、シーンを切り取って貼り付ける行間の隙間が空くような総集編という感じが少ないことに好感で、作り手の全く媚も妥協もしない、気骨のあるスタイルは尊敬に値する。

3部作形式や総集編の映画は苦手なフォーマットだが、3部作とも映画館で観賞できて良かった。
政権打倒を誓う人々や、それを達成した全ての人に見てほしいと思い、本当に覚悟やビジョンがあるのか問いたくなる。