モンティニーの狼男爵

去年の冬、きみと別れのモンティニーの狼男爵のレビュー・感想・評価

去年の冬、きみと別れ(2018年製作の映画)
3.6
原作既読の上、鑑賞。
まず、見終わったあとすぐに思ったことは「既読者に喧嘩売ってる!」ということ。
いい意味でね。

序盤は既読者なら分かり易いくらいの演出が散りばめられ逆に不自然さを感じた程。この時点で「おや?」って感じがあり「中盤にそれ持ってくんの!?大丈夫!?」と前屈みになり終盤は見事に物語として着陸させていた。
「あー、『昇華』って言葉はこういう時のためにもあるのか」と、、「映画作品」としての改変、見事でした!(あくまで物語としてですが)
本当は大好きな『悪と仮面のルール』の実写化を見逃してしまった憂さ晴らし程度でそこまでの期待はしてませんでしたが、、こうなってくると見逃したことが本気で悔やまれます。。。

これまで実写作品っていうものは、もちろん例外はありますが、原作に寄せに寄せて、2時間という枠の中なのにも関わらず、良いエピソードをこれでもかと盛りに盛り、原作ファンの皆様のためにと、厚かましいくらいに媚びへつらうイメージがありました(あくまで個人のイメージです)が、この『去年の冬、君と別れ』は違いました。

キャッチコピーである『すべての人が、この罠にハマる』の「すべての人」っていうのは本当に、うまいなー。と。私は1人で観に行ったため未読者の方はどんな風に騙されたのか気になるところではありますが。

脚本大石哲也さん、監督瀧本智行さん、天晴れ。そして、ウィスキーで乾杯。