あしたか

去年の冬、きみと別れのあしたかのレビュー・感想・評価

去年の冬、きみと別れ(2018年製作の映画)
3.8
[あらすじ]
最愛の女性・百合子との結婚を控える記者・耶雲。彼は1年前に起きた未解決猟奇殺人事件の元容疑者で天才カメラマンの木原坂のスクープを追っていた。だが、耶雲が事件の真相に近づこうとしたその時、木原坂の魔の手が百合子に及んでしまう(U-NEXTより抜粋)

芥川賞受賞のベストセラー小説を豪華俳優陣の共演で映画化したサスペンス。


[見所]
●斎藤工の好演
⇒猟奇殺人犯を憎々しく好演。色気があるし、流石の演技力には感心。どんな役柄も力強く演じてくれそう。

●構成と脚本
⇒前半は、記者の耶雲が様々な証言者に順番に取材をし、木原坂の人物像や事件の真相に徐々に迫っていくという構成。スピーディーに興味深い事実が明らかになるので飽きさせない。
1つの大事件を挟み、映画は重大な驚きと共に後半戦をロケットスタート。
この種明かし編が観客をアッと言わせる事実のオンパレードで楽しませる。
偏執的な愛を巡る数奇な物語。ただのサスペンスでは終わらない。
最後の30分は伏線回収ラッシュが続くので、画面から目が離せなかった。

●岩田剛典の演技
⇒前半では、仕事熱心な姿勢・木原坂への疑いの態度、いずれの演技も極端に見えて不満だったのだが、なんとそれすらも後半に向けた布石だったことには驚き。
話が進むにつれ凄みが増していくのは見応えがある。
ラストシーンの浜辺での表情が良い。

●他
テロップを生かした謎は効果的だった。
山本美月のキャラクターはクールで良かった。「途中からは本気だったんだよ」という台詞は印象的。
ラストのタイトル回収は粋。


怒涛の伏線回収に熱くなれる良作。
あしたか

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