takanoひねもすのたり

バサジャウンの影のtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

バサジャウンの影(2017年製作の映画)
3.1
バスク地方を舞台にしたミステリー。

森で発見された全裸の少女の遺体。何故か股間にチャンチゴリという伝統菓子が乗せられ、独特のポーズを取らされていた。事件を指揮することになったアマイヤ捜査官は、捜査のために故郷へ戻ることになるが。

①少女連続殺人の捜査
②アマイヤ捜査官の家族に関する過去
この2つが大きい流れなのですが、細々したエピソードやアイテムを詰め込み過ぎて回収しきれなかった感じです。

タイトルのバサジャウンはバスク地方の神話にでてくるものらしいのですが、だからそれがどう話に繋がるのかというと、そのまま。
チャンチゴリを置いた理由も不明。
独特のポーズを取らせた理由も全裸にした理由も不明。動物の毛が付着していた理由も不明。
一応犯人逮捕と殺害理由については明らかにされますが、それにしても投げっぱなしの細かい部分が多い。

またアマイヤ捜査官の過去がかなり壮絶な虐待なのですが、家族関係の複雑さを挟む理由がまた不明…母親が何故にアマイヤのみを執拗に虐待したのか理由が無いまま。
このエピソードを削ればもう少し短くコンパクトな話になったかも。2時間近い長尺のミステリーとしては、とっちらかってる印象なんですよね。

雨がずーっと降っていて、または霧で、雨に濡れた遺体の様子、けぶる町並み、陰鬱な雰囲気などは非常に好みだったのですが。
惜しい。