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タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜のlptsのレビュー・感想・評価

5.0
アジアの歴史において、本当に意義のある映画を制作してくれた韓国の映画人の方々を、同じアジア人として誇りに思いました。それと同時に、とてもとても感謝しています。本当に素晴らしい映画でした。

「皆は一人のために」
 
ある学者は言っていた。デモというのは"皆は一人のために"行うものだと。ある立場の個人のために全員がリスクを冒し、その個人を助けるために全員が犠牲を払うことを厭わない。本作にでてくる光州の方々は、間違いなく民主化を主張する個人のために立ち上がった。"一人は皆のために"だけが大得意の日本に生まれた自分には、とてもじゃないが真似できない行為だと思った。自分も序盤の主人公同様、"お前が行って何が変わるんだ"、"自分が行ったって何も変わらない"と諦めるタイプの人間だ。しかし本作を観て、誰かの"一人"のために立ち上がることがいかに大事か。そして、どこかの"一人"が生み出した変化の芽吹きを守ることがいかに大事か痛感した。自分は、当時の光州の方々が命をかけて示した"皆は一人のために"の精神が、世界中の国に根付くことを願っている。
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