skm818

タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜のskm818のレビュー・感想・評価

4.0
光州事件を取材したドイツ人記者の実話をアレンジしてスリル満点の物語にしている。あのラスト付近の援軍タクシーが出てきてのカーチェイスは流石にフィクションだろうけど、ギリギリで検問突破して出国したのは実話なのだろう。
おいらが高校生のときに起きた事件だけど、当時この事件のことが話題になっていた記憶がないんだよなあ。日本でも報道されていたのだとは思うけど。軍隊が暴動弾圧と称して一般市民を虐殺した事件で、映画で見ても凄まじいのだから、現実はどんなだったかと思う。こういう暴力系の描写、韓国映画手を抜かないからなー。軍は国家(政権側)を守るためのものであって国民を守るものではないのだよなあ。
最初はデモに批判的で政権に疑問を持っていなかった生活のために金のことしか考えていないタクシー運転手が、事件に巻き込まれて目撃したものや体験したことによって変わっていく。別に彼は反体制になったわけではないと思う。でも軍隊が市民を虐殺しているところを見てしまって、多分もう元には戻れないんだよな。そして愛する娘との生活を守るために記者には偽名を伝えて、そのことを一生隠して生きていく。圧政下で生き延びていくというのはそういうことなのだろう。
それにしても記者の出国予定が明日の便だと知って明日まで何もしない韓国の保安部やっぱり間抜けすぎ。
skm818

skm818