ほしの

タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜のほしののレビュー・感想・評価

4.7
光州事件の話。

後半 涙がボロボロ出た。特に終盤の運転のシーンはすごく泣いた。運転手のおっさん達の顏がすごく良かった。その表情で語っていく感じ。 最後の老け込んだ主人公の顏もとても良かった。

中盤ぐらいで、主人公は、自分がどうするといいのかわからなくなるけど、この映画を見てると、見ている自分もどうするべきなのかもうわからなくなる。

ソウルに住んでた主人公は光州で起きていることをそこに行くまで何も知らなかったけれど(主に報道規制などのため主人公以外の人らも光州で起きていることをよく知らない)、この映画を見ていて自分は今 世界中や日本の中で起きていることに全然無関心で、たとえ知ったとしてもどう行動するか全然わからない。

この映画を見ながら、「ホテル ルワンダ」って映画のことを思っていた。その映画は、現状を他国に発信できても事態の改善に繋がらなかった。まして今はフェイクニュースの時代。

光州に行くまで、とてもテンポよく、コミカルに話を進める手際の良さがいい。 軍人から逃げるところはグッとホラー感が出て、少しキャサリン・ビグローの「デトロイト」のことを思った。終盤はマッドマックスFRみたいだった。

ジャンル映画の手法をうまく使って、真摯な話を描くことに割と成功している。ただその手法のために情感が強くなる点、虚構性が増すというか普遍的な話(ピンチにどう動くか、みたいな)になる点を、光州事件に直に接続しないでおこうと思った。市民的不服従だって思った。