「タクシー運転手」
遅ればせながら鑑賞。
事件のショッキングさに言葉を失うと同時に人情味溢れる人間ドラマ（過多な部分も含め）に、些細な個人の善意の繋がりの連続が世界を作っており、其れこそが尊いのだなと再認識させる作品だった。
隣国の映画好きとしてこんな映画が作れる事は素直に羨ましい。
国内であれ海外であれ「エンターテイメントから政治的な意図の感じる物を受信したくない」という個人的なアレルギーから史実を元にした作品に普段は苦手意識があるのだが、本作は光州市で起きた事件の歴史的な意味よりも、情に熱いお国柄や地方都市の素朴な優しさが感じられる作品だった事が大変好印象だった。
市民と警察の衝突シーンの規模につけ、賛否両論の白熱のカーチェイスシーンにつけ、彼等の一本の映画にかける熱量と予算の掛け方には尊敬の念を禁じ得なかった。
お陰で恥ずかしながら無知ゆえ"悲惨で残酷な復讐劇"が多い印象の韓国映画の新たな側面を知れた気がする。
緑のタクシー可愛い。
