さとし

タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜のさとしのレビュー・感想・評価

4.1
必死で書き続けなければならなくなってしまいました。
少し休めると思ったのですが残念。

これは良かったです。素晴らしい映画です。
どんなに生き残るためのオッズが不利でも諦めてはいけないことを教わりました。どんなに苦しくても人間は生き続けるしかないんですよね。

舞台は1980年の韓国。ソウルでタクシー運転手をしているキム サボク(ソン ガンボ)は貧乏な上、奥さんが早くに他界し喧嘩っ早い娘と二人で暮らしていました。そんなある日、日本からソウルへ到着したドイツ人記者ハインツピーター(トーマス クレッチマン)が高いお金をはらうから光州へ連れって行ってほしいと頼み込む。その話を聞いたキムはお金のため率先どころか横取りしてまででも運転手を買って出るのですが、光州は思ったより厳しい情勢になっていました。

主演のソン ガンボというと「JSA」とかいうイメージですかね。私の年齢がバレるのであまり言いませんが、すごく人情に溢れた優しい感じのタクシー運転手を熱演しています。トーマスさんや娘役の女優さんさらにはジェシク役の俳優さんが良かったです。

監督のチャン フンさんは温かくて人間性に溢れた感じと厳しくて怖い感じを混ぜ合わせるのが上手かったです。室内で踊りを踊ってる一方で外では激しい衝突が起きてるようなギャップを見せています。

最初の30分くらいはコメデイですよね。いきなりインド映画ばりの歌タイムがあるのは驚きました。しかし、どんどん後半に連れてシリアスな作品になっていきます。ラストの軍との戦いは描き方に緊張感があり手に汗握るというのはこういうことかと思いました。

ただしツッコミどころもあります。韓国人記者が屋根裏でデモ隊と軍の戦いを見てから再登場するまで何をやっていたんでしょうね。キムさんのラーメンの食いっぷりはいいですね。あとあのエアーギターと踊りや韓国人の泣き方は独特の風習ですね。

少し長いのは否めませんんがよくできた実話に基づく話でした。
ピーターはなぜドイツ人なのに英語を喋ってるのかとか言ってはいけないのでしょうね。ちなみにソウルから光州までバスで通っても4時間15分だそうですね。オンボロタクシーならどれくらいかかるんだろうと想像してしまいます。
さとし

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