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タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜のmasaのレビュー・感想・評価

4.2
光州事件を題材にした、愛すべきタクシー野郎たちとドイツ人記者のドラマ。

ジャケから想像して、明るい感じの人情ドラマかと思いきやかなり重厚な作品で、見応えたっぷりでした。

1980年に韓国で起きた光州事件でのドイツ人記者と韓国人タクシー運転手の実話を映画化したドラマ。
光州へ取材に向かうドイツ人ジャーナリストと彼をタクシーに乗せた運転手とのやり取りを、コミカルかつシリアスに描いている。

1980年の韓国。ソウルで11歳の娘を一人で育てながらタクシー運転手をしているマンソプ(ソン・ガンホ)は、大金に目がくらみドイツ人記者ピーターを乗せて光州に向かう。
マンソプの機転で見事に検問をくぐり抜けるが……

作品とは全く関係ないが、自分の亡き父親もタクシー運転手でした。寡黙な人だったが、お通夜の日、だいぶ夜更けに仕事の合間を縫って「夜分遅くにすみません、昔少しお世話になったもので一目だけでも顔を見たくて、やってきました」と同業者の人が深夜にやって来たのを思い出した。
タクシーに乗ると無愛想で偉そうな嫌なタクシー運ちゃんも結構いるが、
タクシー運転手の方たちは同業者の結束意識、仲間意識が強いのだと思う。
という訳でこの作品のちょっと大袈裟なタクシー運ちゃんたちの結束した奮闘振りも許せてしまう。特にユ・ヘジンがいい奴すぎて最高。

光州事件を取材に来た外国人記者とタクシー運転手の友情という点で、同じようなカンボジア紛争を取材に来た外国人記者と通訳の友情を描いた名作『キリング・フィールド』という作品を思い出した。
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