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タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜のharuのレビュー・感想・評価

4.7
「光州事件」と呼ばれる、事実に基づいて作られた映画。
ジャケットのソン・ガンホの満面の笑みからは想像出来ないくらい衝撃的な内容だった。

光州で起きた民主化のためのデモ活動。
市民を暴徒と報道し、軍はそれを鎮圧するために犠牲を払って闘っている。
ソウルなど光州以外の町ではそんな風に思われていたが、実際は全く違う状況だった。

市民に銃口を向け、戦う意思などない人たちまでも殴られ、撃たれ、命を失っていた。
報道規制も厳重で、事実が町の外へ持ち出されることはなかった。

そんな光州の危機に感づいた、日本在住のドイツ人ジャーナリストが、ソウルのタクシー運転手と共に、決死の覚悟で光州へ潜入し、映像を持ち出し報道しようとした。
その2人のストーリーを中心に、光州事件の悲惨さを伝え、封印してきた過去の惨劇と向き合うための映画だった。

自分はこの映画で初めて光州事件のことを知った。そんな人は少なくないはずだろう。韓国にすらそんな人はたくさんいるかも知れない。

韓国では歴代11位の興行収入という話だが、韓国の人たちは何を感じ、これからの韓国という国の成長にどう繋げていくのだろうか。
ただのエンタメで終わらないことを願う。

ソン・ガンホ、かっこいい。
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