平凡そうでどこか闇属性を感じさせるキャラクター演じるならこの人！な窪田正孝と、クセの強い役の宝石箱な新井浩文が兄弟役と聞いて、かなり期待してました。どちらも持ち味活かしてた。
普通の小市民なのに時々えらく荒んだ目をする窪田と、「さわるな危険」を地でいくようなやばい奴(でもデリヘルでチェンジはしない)の新井。新井浩文で思い出したけど、それでも葛城事件の兄弟よりはまだ救いがある…。
この兄弟と関わる姉妹の姉ことニッチェの江上敬子のインパクトが凄かった。映画賞にノミネートしてもおかしくない。この「見た目以外は完璧な高齢処女の姉」の悲哀とこじらせっぷりが刺さりました。いくら仕事も家事もできても、彼女自身を救えてないのが悲しい。観た翌日、私まで妙に落ち込んだもの。何で社長やりながら介護もしなきゃあかんの…おかん暇そうじゃないか…(´･ω･｀)
姉とは正反対な「見た目しかない女優志望の妹」役の筧美和子も自然な感じで悪くなかった。妹は要領よさそうに見えるけど、これまで結構騙されてるんだろうな…英語の教材とか。
兄弟姉妹あるあるみたいな話だけど、「女の子は比べられることが嫌い」な話でもあるよね。
人と比べて落ち込む癖があるタイプはちょっとしんどい映画。
ストーリーは割と素直な風なんだけど、ディテールや俳優さんの演技でだいぶ肉付けされてました感。普段お互いの兄姉についてこぼしてるのに人に言われたら否定したり、困った兄を「早く死んでくれないかなー」って愚痴入れたり。細かい描写やセリフは妙にリアリティありました。
個人的に弟や姉妹のような職種だから、本当に近い話みたいで。低予算＆短納期の案件を何度も下請けにぶっこむ印刷会社の営業とか鬼かよ…好意なきゃありえないわ(怒)
一番合わなさそうな兄と姉のエピソードが妙に和みました。冒頭の仕掛けは驚かされた！え？まだ映画始まってないの？って。
あと脱いだらすごいバキバキな弟の肉体(メッセージのジェイミー・レナーやギフテッドのクリス・エヴァンス思い出した役柄に必要ない筋肉…)
