勝手、かつ失礼を承知で言えば
新井浩文の凄まじさに
果たして窪田正孝がしっかりと対応できるのだろうか?
なんて先入観を抱いていた。
そしてその疑念は
映画の前半で見事に晴れた。
筧美和子、江上敬子もしかり、だ。
なんだか久しぶりに新井浩文の真骨頂を観てハラハラドキドキワクワク。
どこまでも怖くて危なくて目障りな兄に
必死に抗って対峙する弟。
その二人の、いつ爆発してもおかしくない距離感、空気感を見事に表現していて素晴らしかった。
延々と、ささくれにじわじわと塩を塗り込まれているようなヒリヒリ感が、観ていてとても息苦しくて…
でもその息苦しさこそこの映画の醍醐味だと思うし、こんな兄弟の醍醐味なのだと終始固唾を呑んだ。
登場する4人のそれぞれの個性。
堅実に生きてるけど殻を抜け出せない、
乱暴だけど芯がある、
頭は悪いけど顔は可愛い、
デブでブスだけど賢い…
映画ではもっと細かく一人一人の個性がしっかりと描かれていて、それをキャスト陣が完璧に演じ切っている。
この映画から個人的に感じたこと、
それは
どんな人間だって
必ず「良いところ」があるということ。
ひりつき交差する4人の群像劇の先に
なにかとても普遍的であったりまえなんだけど大事なことを
教えてもらえたような気がする。
いい感じで終わるかと思いきや、ラストに兄弟喧嘩を見せるところに監督のセンスを感じるし、本当は満点付けたいんだけど、俺は一人っ子だし、「きっと兄弟ってこうだよな」って部分が想像でしかないので笑
いくつも印象的なシーンはあるんだけど
筧美和子がホテルにいたことをお姉ちゃんに言いそうになるけど、ぐっとこらえた新井浩文にぐっときた笑
本当に4人とも素晴らしいんだけど
新井浩文の目ヂカラは少しも衰えることなく健在!
病院で目を覚ます新井浩文のさりげない演技が個人的には大好き笑
どうしてもコワモテなイメージがあるけど、繊細な演技や柔らかい演技も出来てしまう新井浩文がとにかく大好きである笑
メチャメチャ好きな作品でした。