ちゃんこなべ

犬猿のちゃんこなべのレビュー・感想・評価

犬猿(2017年製作の映画)
3.5
ヤンキーの兄(新井浩文)と地味な弟(窪田正孝)
ブスでデブの姉(ニッチェ・江上)と可愛い妹(筧美和子)
対象的な兄弟・姉妹が織りなす悲劇とは…

めっちゃおもしろかった⊂( ˆoˆ )⊃
「ヒメアノ~ル」「さんかく」「ばしゃ馬さんとビッグマウス」の3本しか見てないけど、吉田監督の映画は好きなイメージで、やっぱり今回もすごく面白かった。

何か起こりそうで何も起こらない、かと思えばやっぱりゴチャゴチャなってきて、まさしく「犬猿」で。

あたしは2人姉妹で、3つ離れた妹がいるんやけど、子供の頃から性格がまあ真逆で。私は学級委員とか生徒会とかやる真面目なタイプで、部活は6年間陸上部で頑張ったし、勉強も嫌いじゃなかったから進学校に進んで国公立大学に進学、4年間子供と遊ぶボランティア部で活動し、新卒で入社して今6年目。一方で妹は小学生の頃からピアス開けて髪染めて化粧して、親の財布から金を抜くような悪い奴で、学年1の不良の男の子と付き合ってたからうちん家に彼氏が来るたびに毎回ビビってたの懐かしいな。妹は高校出たらすぐに就職したけど、そっからいくつかの仕事転々として、夜はキャバとかもやってたかな。

妹のこと別に嫌いではないけど、違う人種だわって諦めてたから特に仲良くないまま大人になって。仲良し姉妹とか憧れるな~って思いながらも、一緒に買い物とか私たち姉妹にはありえないなって。

ところが、二人とも実家を出てから関係性がちょっと変わってきてね。

この前おじいちゃんのお葬式で久しぶりに会ったんだけど、あたしが「クァ~~~!コーヒー飲みてェ~~!」とか嘆いてたら自販機でコーヒー買ってきてくれて「はい、あげる♡」とか言われちゃったりして、「え、こんな優しい一面もあるんだ…」とか思ったりして、そんな妹をよくよく見てみると、ブリーチしまくってた髪の毛も落ち着いた色になってて、どうやら夜の仕事も辞めてどっかの会社の事務員を2.3年続けてるようで。

妹がどんな仕事してるとか興味もないし、知らなかったんだけど、あー、何かちょっと変わったんかなあとか思ったりして。

十数年間ずっと「犬猿の仲」でやってきたもんだから、今さら仲良くするのなんてすごい違和感を感じるし、普通の会話ですらちょっと照れくさいんだけど、この歳になってようやく1人の人間として妹と向き合えた気がするんだよね。

私「(妹)ちゃんは細くていいなあ。40キロぐらい?」

妹「41キロ!けど(私)ちゃんもおっぱいあるやん。羨ましい。」

私「まあアンタよりはな。」

みたいな冗談交じりの他愛無い会話もしちゃったりして、さすがに2人でランチとか2人で買い物とかそんなレベルには到達してないけど、普通に喋れるところまではレベルアップしたんすよ。

これがもう当事者ながらすごい不思議でねぇ…

長くなったけど、犬猿おもろいのでオススメです。ニッチェの人が芸人とは思えないほどいい演技してました!!