穂苅太郎

犬猿の穂苅太郎のレビュー・感想・評価

犬猿(2017年製作の映画)
3.7
新井浩文は惜しいよ。本物の怖さがある。
「ヒメアノ~ル」のV6森田剛にしても「愛しのアイリーン」安田顕にしても吉田恵輔監督はもともと凶暴な一面を持った役者の選定と、それらの本来の凶暴性を引き出すのが巧い。今作の新井浩文も他作品で同じような役どころはあるが、とびぬけて凶暴だった。劇中でキャバクラでセクハラしてたり、デリヘル呼んだりが今となっては笑ってしまう。だからだとは言わないが、さわり方が堂に入ってる。
主人公4人がそれぞれ素晴らしい。新井、窪田は当たり前、ニッチェ江上も好演だがまあコントの役の延長戦としても、筧美和子はよくぞ勇気を持った先見キャスティングに踏み切ったものだ。とびぬけてはいないがこの役者群の中において過不足なくこなしている。
もっと展開しようとすればいくらでも広げようのあるプロットだが、グッと抑制してのシンプルな落としどころとなっている。
穂苅太郎

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