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ライオンは今夜死ぬのnagashingのレビュー・感想・評価

ライオンは今夜死ぬ(2017年製作の映画)
3.0
「やだレオーさま、おなかが……」と、我々にとって心の中で思うだけでもためらわれることを「デブ!」の一語で表現せしめる子どもには、そりゃぼくだって笑ってしまったが、なんかコントロールできない存在に外部性を担保させる楽しさだけで満足しちゃってないか。作り手にとっての刺激が、作品の中でうまく機能しているようには思えず。老人と子どもの話としては、ここ以外には落としようがないだろうという作為性を感じたし、画面も明るくてきれいすぎる。海なんて青すぎてすごい嘘っぽかった。人生にたいするポジティブさが、こういうほとんど無根拠なところ(子どもとか景色の美しさとか)に由来しているようでいろいろとキツい。
しかし、レオーってまさしくライオンみたいな男だなあ。あの長髪もたてがみっぽいし、王者の風格とネコ科の茶目っ気が同居した不思議なたたずまいがすごい似てる。
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