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鈴木家の嘘のmarutabatsuoのレビュー・感想・評価

鈴木家の嘘(2018年製作の映画)
4.4
笑ってホロリとさせられる映画くらいの軽い気持ちで見始めたが、オープニング数分で居住まいを正した。映っているもの、映さないところ、抑制の効いた画作りとショッキングな事態に鳥肌が立つ。
なぜ彼は死ななければならなかったのか。遺族たちはそれぞれの思いを抱えながら、時にぶつかり合い、支え合い、救えなかった自らを責める。

その想いを抑える姿、耐えきれず吐き出される時、幾度も幾度も幾度も嗚咽が漏れそうになった。
妹役の木竜麻生が「ざまあみろ」と叫ぶシーン「お兄ちゃんに謝りたい」と打ち明ける姿。今年もっとも良い意味でだまされ最も泣いた作品になった

おそらく長く公開されないと思うが、紛う方ない傑作。原日出子も岸部一徳も加瀬亮も大森南朋も岸本加世子もほんとにすごい。
妹役の木竜麻生は『菊とギロチン』でも印象的だったけど、早晩日本を代表する女優になると思う