シュトルム凸映画鑑賞記録用改め

君の膵臓をたべたいのシュトルム凸映画鑑賞記録用改めのレビュー・感想・評価

君の膵臓をたべたい(2018年製作の映画)
4.1
少女の難病による夭折。安易な泣かせ系のネタ+明るいヒロインに言い寄られるオタクやコミュ障に都合のいい救済物語だと言えば、確かにそういう側面もあるだろう。だが、私にはコミュ障側が一方的に歩み寄ってもらう楽チンな話には思えなかった。ヒロイン側と主人公側が正反対の極にあり、相補的な関係を構築していく。その過程をこの力強く魅力的なヒロインは、偶然でも運命でもない、と説明する。その第3の視点の明瞭さと啓開感。
そして物語の予定調和を断ち切るように、「え?それはないだろ」と言いたくなるような断絶。覚悟していたものが、別の形でやってくる不意打ちのような展開に、虚を突かれざるを得ない。明日が知れないのは貴方たちだって同じだよ?と。
そして何よりタイトルに込められた含意。原作者はタイトルから最初にこの話を思い付いたということらしいが、確かにタイトルを中心にこの話は成立している。イージーかも知れないが、私はタイトルの意味を理解したときに号泣しました。
明日がどうなるか分からないから、今日は焼き肉を食べに行こうかな。そうそう、牛の膵臓を食べたい。