YasujiOshiba

サンズ・オブ・ザ・デッドのYasujiOshibaのレビュー・感想・評価

サンズ・オブ・ザ・デッド(2016年製作の映画)
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週末最後はおバカ映画ということで、これ。

原題の "It stains the sands red" は「砂を赤く汚すもの」みたいな感じかな。ブリタニー・アレンをずって見ている映画。最初はジャンキーのアバズレ娘だったのが、少しずついいやつだというのが明らかになってくると、最後にはめちゃかっこいいスコップの一撃を決めるというお話し。

やっぱりゾンビ映画ってのは、生きた人間の映画なんだよね。息をしているという意味でのスピリット、あるいは精霊たちというのは、実のところ人間のことなんだというのを、ぼくはこの映画で、再確認できたような気がしている。

死ぬべき人間をゾンビにするのは人のワザじゃない。それは裏返しの神の子なんだろうな。神の子たちに追われる人はスピリットなんだけど、ゾンビからのサバイバルへと沈められ、そこから浮き上がるなかで、見失っていた何かを取り戻す。それを父なる存在への道だと呼んでみれば、ここにあるのはほかならぬ「父と子と精霊たち」の物語じゃないか。

なにしろブリタニー・アレンが依り代となった主人公の名前はモーリー。これはメアリーの愛称であり、メアリーとはもちろんマリアのこと。だとすれば、彼女はさしずめマグダラのマリアということになるのだろうね。

それに砂漠から始まるのもポイントだろうな。どうかんがえても、復活祭の前にある四旬節を思い出してしまう。イエスが砂漠で40日間を過ごしたとき、悪魔に誘惑されるのに打ち勝つというお話なんだけど、イエスの代わりにマグダラのマリアが、荒れ野で誘惑に打ち勝つお話しへと変換されたと考えれば、なかなかよくわかるのではないだろうか。

いやはや、ゾンビ映画って、なかなかバカにできないんですよね。ぼくは十二分に楽しませていただきました、はい。
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