うぎょ

JAGO: 海上の遊牧民族に生まれてのうぎょのレビュー・感想・評価

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かなり作為的な演出の多いドキュメンタリー作品。ほぼフェイクと言ってもよい。

漁民として生きる老人が自身の人生をライフストーリーとして語る。

海中での狩りの映像は確かにダイナミックで綺麗だけれどドキュメンタリーとしては演出が入り過ぎていてやり過ぎ感が否めない。半分映画/映像として楽しんだ方が◎

老人の口から語られる、海に対する自然観は「精霊」という言葉からも分かる様にアミニズム的であり、文明的な現代人の、科学と理性によって自然をコントロールしようとする姿勢とは対照的。
自然を支配しコントロールするのでは無く、自然の中に身を置き、調和する。この様な原初的な生活は文明人として今の生活に慣れきった僕にとっては非常に示唆に富んでいて魅力的に感じた。

加えて
老人の身体の写し方も印象的だった。衰えてはいるものの、日に焼けた肌と鋼の様な肉体。自然環境の中で合理化され洗練された身体はは見る者を圧倒するほどに美しい。この様な肉体もまた、近代的な「見せる」為に合理化された(ボディービルやモデルの様な)身体とは対照的。

近現代とそれ以前、という二項対立で観ると面白い作品、、、
うぎょ

うぎょ