バス行っちゃった

ハード・コアのバス行っちゃったのネタバレレビュー・内容・結末

ハード・コア(2018年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

原作は知らないので、この作品単体についてだけ。

そういう風にしか生きられないという意味でロボットのようでもある二人がたびたび脱出できなくなったルンバ的に追い詰められ、そのたびにガチのロボットが突破口を作ろうとするという、なんとも皮肉な構造で。

それだけに、チンピラに絡まれてロボ男が飛び立つところなどを見ていたので、隠れ家を警官隊に包囲されているを見ても実質包囲されていないのと同じに思えてしまい、一瞬、下手だなあ、などとつい感じてしまったのだけれども、その後の自爆シーンで、そうか、もう彼らに着陸できる場所なんてないんだ、それを見せるためのチンピラ・ロケットだったんだと自分の浅はかさを思い知らされつつも人の不幸なのについ胸が熱くなってしまい。

最後の出産も、見終わったそのときこそ蛇足に感じたものの、よくよく考えてみればその前に完という字をわざわざ出しているのだから彼らの話はそのときにもう終わっていて、映像の通りに受け取れば主人公たちはあのまま爆散してしまったのだろう、となればあの出産はもう劇中の現実世界の話ではないのだと思い直し、すると主人公が腹の底から感動を口にして伝えることができたのが死後の世界だったというのがまたなんとも切なく。

あと、視点が絶妙に遠からず近からずの間で巧妙に動いていたので、悲劇に過ぎず喜劇に過ぎずのいい塩梅、ヤバいのに可笑しいといったバランスになっていたのもよかったなあと。