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泣き虫しょったんの奇跡のkassyのレビュー・感想・評価

泣き虫しょったんの奇跡(2018年製作の映画)
3.4
完成披露試写会にて。

61年ぶりにアマ棋士からプロに編入された瀬川晶司さんの奇跡の実話。

小学生時代、中学生時代、青年期とそれぞれの時代に沢山の出会いがあり、その出会いの一つ一つがしょったんの奇跡を後押しする。その為、登場人物が結構多いので、こんなちょい役でその人出るのか、という驚きも。

要所要所でグッとくる箇所はあるのだが、一番グッときたのはとあるハガキかもしれない。あと、イッセー尾形さんが…とてもいい味。

瀬川さんは同年齢の羽生さんのような超天才ではないかもしれないが、諦めずに続けられる才能、好きでい続ける才能もまた一つの天才なんだなと思わされる。

映画としては、幼少期から丁寧に描きすぎて少しテンポが悪いのか、体感時間が長く感じてしまったが、将棋の世界をリアルにしかし夢のある作品に仕上がっている。

瀬川さんの奇跡の実話も勿論すごいのだが、元奨励会に所属していて、将棋を憎んでいた豊田監督が、瀬川さんの話に感銘を受けて映画化しようとしたが、将棋の映画は儲からないと一度は企画がポシャったが、藤井聡太さんをはじめとする将棋ブームで映画化にこぎつけたというのもなかなかドラマがある。
色々あった豊田監督が、もう一度自分の原点に立ち返って、自分が好きだったけど挫折したこの将棋の物語に想いを賭けたのかもしれない。
ある意味それも奇跡なんじゃないかと思った。
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