◆あらすじ◆
タイのバンコクに訪れたジュリーとジムはホテルでロバートとビリーに誘われ、街はずれの祠に行き、興味津々のジュリーがロバートたちの指示に従って祠の像を手に取ってしまう。そこからジュリーは得体のしれない女性の幻が見えるようになり、常に恐怖に晒されることになった。ロバートたちに騙されたことを知ったジムはジュリーを助けるべく手を尽くすが...。
◆感想◆
祠の像を手にしたことで幽霊に憑りつかれてしまう女性の恐怖に晒される姿と彼女を救うべく奔走する女性の恋人の姿を描いた作品となっていて、浮かれた主人公カップルが悪い人に騙されて幽霊に憑りつかれるまでの緩い雰囲気が憑りつかれたと同時に一気に緊迫感や悲壮感に満ちた展開へ変わる構成が面白く、憑りつかれた女性の恋人がオカルトを信じない性格である分、タイの現地の人たちが信じる土着信仰に理解を示さず、彼女を救うために一進一退を続ける展開は少しフラストレーションが溜まりましたが、オリジナリティがあって面白かった。
ジュリーとジムのカップルはタイを旅行中で、ジムがジュリーにプロポーズするなど熱愛ぶりが最初に描かれるのですが、同じホテルに泊まっているロバートとビリーに誘われて街はずれの森の祠に連れていかれて、焼死した日本人女性ワタベの霊にとり憑かれてしまいます。ロバートとビリーが2人を置き去りに車で逃げてしまったことでジムは異常を察知するのですが、ロバートたちがなぜ2人を騙したのかはストーリー後半にならないと分からないので少し焦れました。そこからジムがジュリーを救うために病院での治療を勧める中、現地のガイドのゴゴの指示により現地の村のシャーマンに見せることになります。ジムがひたすらオカルトを信じない姿が印象的で、シャーマンが祈り始めても落ち着かない姿が少しおかしかったです。
そこからジムがロバートたちを追いかけ、ジュリーを救うために情報収集する一方、病院で拘束されたジュリーにはワタベがどんどん近づいてきます。映像的には怖いのですが、「ワタベ」という語感がその怖さを減少させていて、私は観ていて何度も「ワタベ、しっかりしろ」と思いました。これは私が日本人だからなのかもしれません。
そして、ジムはロバートたちから助けになってくれるリノという人物を紹介されます。ジムが必死なのは分かるのですが、一度騙された相手を信じてしまうジムに少し疑問符が浮かびました。リノがまた胡散臭い人物で、ジュリーの状況が切羽詰まっているのに、リノは酒でテンションが高く、どこまでもおかしい人物なので怖がるべきか、笑うべきか分かりませんでした。
ラストはあまり意外性は無いですが、極めてソフトな終わり方でショックは少ないと思います。
色々とツッコミどころはあるのですが、怖さを感じさせる演出もしっかりあって普通に楽しめました。
鑑賞日:2025年9月5日
鑑賞方法:Amazon Prime Video