映画ドラマ体感型とかいうわけのわからない触れ込みで宣伝されたSF映画。
エネルギー資源の枯渇した地球に危機感を感じ、人類はトンデモ技術を結集させ地球の無機物を地球ごと丸々全てコピーし、そのエネルギーを吸い取ることで資源問題を解決する事に。
当然上手く行くわけもなく、問題解決の為、コピーした地球「エコーワールド」に主人公が送り込まれる…ってな内容。
特筆すべきは映像ドラマ体感型と名乗っている通り、現実世界では通常の三人称視点、エコーワールドでは主人公の一人称視点で話が進むことである。
一人称視点の映画といえば、イリヤ・ナイシュラー監督の「ハードコア」が記憶に新しいところだが、今作「リディバイダー」は主観視点のアクションを期待すると肩透かしを食らう事になる。
そもそも主人公ウィルは宇宙飛行士であって派手なアクションするわけでもなく、敵もほとんどが機銃を積んだドローン。
アクションシーンも全体の数分程度だろう。
むしろ藤子F、星新一的なSFショートな展開を見せる物語。
せっかくのダン・スティーヴンスが主観だから見えない(身も蓋もない)
ダン・スティーヴンスの視点に写るキャスト達にも魅力がないわけではないが、やはりダン・スティーヴンス当人のオーラには敵わないわけでガッカリ感が残る。
脚本は粗があるが展開的には面白くなる要素はあったし完全に駄作というわけではない。
まるで主観アクションが売りなゲーム的な映画かと思わせる配給の宣伝方法に疑問が残る一作であった。