ゆず

リディバイダーのゆずのレビュー・感想・評価

リディバイダー(2017年製作の映画)
3.4
「divider=仕切り」これに「再〜」を意味する「re」を付けると、逆から読んでも「redivider」となる。
作った人がこれを思いついた時はさぞ嬉しかったことだろう。いつか使おうとずっと暖めていたネタなのかもしれない。もしかしたらこの回文的な造語(?)から、エコー世界という設定を発想したのかも。

…なんて考えるとちょっと面白いが、本編はタイトルのカッコよさに少し追いついてない感じ。
エコー世界に入り込んだ主人公の視点を主観で描いているが、基本、逃走サバイバルといった風で目新しさはない。
こちら側の世界の描写は主観ではなく、さらにあっちとこっちを頻繁に行き来する編集なので、没入感を求めての主観映像からしょっちゅう引き剥がされる点も、何か意図があってやってるようには思えない。なんだか中途半端な気もするけど、全編を主観にしたらいいというわけでもなさそうな物語なので、どうすればよかったのかわからない。
そもそもSFって主観だけで語るにはムリがあると思われ。『ハードコア』は別として。そういえば『ハードコア』は全部主観だったので画面酔いしたのだった。酔わない点では本作に軍配が上がる。
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