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デス・ウィッシュのKUBOのレビュー・感想・評価

デス・ウィッシュ(2017年製作の映画)
3.8
10月最初の試写会は「デス・ウィッシュ」。74年、チャールズ・ブロンソン主演「狼よさらば」のリメイクだ。試写会場には、懐かしの「マンダム」のテーマ曲がループする。思わず笑ってしまうと歳がバレる(^^)。

今回のリメイクはブルース・ウィルスが主演、監督はイーライ・ロスだ。主役ポール・カージーの職業がデヴェロッパーから外科医に変わっている。

強盗に妻と娘を襲われた復讐に…という件はいっしょだが、最初の犯行から、SNSによる拡散と、メディアをも巻き込んだ世論形成など、より今の時代を意識した作りになっている。

警察の手には追えない街のチンピラたちを処刑していく「フードの男」は一躍ダークヒーローとして祭り上げられる。彼は「守護天使」か? 「死神」か? この辺の世論を巻き込んだ展開は、あたかも「デスノート」のキラのよう。実際、手段は「銃」という直接的な武器ながら、悪党を法によらずに処刑していく様は、少しずつ処刑することに酔っていく様も「夜神光」のそれと重なる。

「自分の身は自分で守る」という「銃を持つ権利」が認められているアメリカにおいて、74年、オリジナルが作られた時以上に銃犯罪による被害者が増え続けるアメリカにおいて、それでも銃規制法の成立にはほど遠いアメリカにおいて、この作品は何を訴えるのか?

オリジナル版の曖昧でどちらにも取れる深い趣が、「銃があったから守れた」というアメリカの理屈に寄ってしまった気もするが、それでも深い問題提起も含んでいる作品には違いない。趣ではオリジナルに及ばないが、エンタメとしてはオリジナルを超えた。特に最後の「終わらせ方」は鮮やか。